竜の花嫁

竜の花嫁

[ 苦悩する竜王様 ]

ある日のこと。
「ねえ、エドヴァルド。赤ちゃんてどこからやってくるの?」
「!ごほっ……げほっ」

「ティ、ティアナ。何を言い出すんだいきなり」
「だって、わたし子供欲しいもん。エドヴァルドと私の子供」
「こ、子供? 竜と人の間に生まれるということは、母体にも負担がかかるんだぞ」
「それでも欲しいわ。だから、教えて? どうやったら赤ちゃんができるの?」
「……」
「エドヴァルドも、知らないの?」
「いや、人間の仕様は知ってはいるが……ティアナ、母国でそれについて学ばなかったのか?」
「うん。ばあやが『夫となる方に教えてもらいなさいませ』っていうから」
「……なんていい加減な」
「『男は女を自分の色に染めることを喜びますの』だって」
「じゃあ、本当に何も知らないのか」
「うん」
「……その、だな。赤ん坊は……」
「うん、赤ちゃんは?」
「赤ん坊は……」
「?」
「……駄目だ。私にはとても説明しきれない」
「そ、そんな難しいことなの?」

<了>
恋仲になった直後辺り。この後、ティアナはメイドたち(もちろん魔族ですが)に色々吹き込まれて学んでゆきます(笑)
ちなみに、エドヴァルドは人型になれます。なるかどうかは別として(笑)
更新休止する前に設置していたウェブ拍手のおまけ小話でした。

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