閑話: 次に生まれるなら私はミジンコになりたい 1 BACK | INDEX | NEXT 2010/10/20 update |
ひとしきりセティをからかって王子は公務へ去っていった。今日の王子のスケジュールには王子付の出番は無いので、エリクはセティの護衛をしている。 「生まれかわるならミジンコになりたい」 王子が去ったのを確認して、呻くようにセティがつぶやき、その言葉にエリクは首をかしげた。ミジンコとは……なんとも控えめな来世希望だ。 「なんでまた、ミジンコなんです?」 セティはため息をひとつ。 「そうしたら、王子に見つかることないもの」 あぁ、なるほど。 エリクはうなずきかけて、ぴたりと硬直する。セティの背後には、 「それなら私は魚になって、君を食べてしまうだけさ」 そっと彼女の肩に手を置く王子。さっき出て行ったはずなのに。 「ぎゃー!!」 神出鬼没な王子に、セティは悲鳴を上げた。 閑話 了 *********** 拍手のお礼小話から再録。 とても短いので閑話ということで。 |
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