【番外編】 苦悩する竜王様 BACK | INDEX | NEXT 2010/10/20 update |
ある日のこと。 「ねえ、エドヴァルド。赤ちゃんてどこからやってくるの?」 「!ごほっ……げほっ」 「ティ、ティアナ。何を言い出すんだいきなり」 「だって、わたし子供欲しいもん。エドヴァルドと私の子供」 「こ、子供? 竜と人の間に生まれるということは、母体にも負担がかかるんだぞ」 「それでも欲しいわ。だから、教えて? どうやったら赤ちゃんができるの?」 「……」 「エドヴァルドも、知らないの?」 「いや、人間の仕様は知ってはいるが……ティアナ、母国でそれについて学ばなかったのか?」 「うん。ばあやが『夫となる方に教えてもらいなさいませ』っていうから」 「……なんていい加減な」 「『男は女を自分の色に染めることを喜びますの』だって」 「じゃあ、本当に何も知らないのか」 「うん」 「……その、だな。赤ん坊は……」 「うん、赤ちゃんは?」 「赤ん坊は……」 「?」 「……駄目だ。私にはとても説明しきれない」 「そ、そんな難しいことなの?」 |